Glorious Model D Wireless vs Razer DeathAdder V3 Pro
スペック比較・プロ使用状況
最終更新: 2026年3月22日
DeathAdder V3 Pro
- 64 g 重量
- Focus Pro 30K センサー
- ワイヤレス
- ¥20,900
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結論
同じエルゴノミクス形状の対決で、性能差以上に「設計思想の世代差」が際立つ。Model D Wirelessは2021年の良心的価格のハニカムエルゴ、DeathAdder V3 Proは2022年のフラッグシップソリッドエルゴ。予算重視ならModel D、品質と完成度に投資するならDeathAdder V3 Pro。
| 評価項目 | Glorious Model D Wireless | Razer DeathAdder V3 Pro |
|---|---|---|
| 形状・フィット感 | ●●●○○ | ●●●●● ✓ |
| センサー・トラッキング | ●●●○○ | ●●●●○ ✓ |
| ビルドクオリティ | ●●○○○ | ●●●●● ✓ |
| バッテリー・ワイヤレス | ●●●○○ | ●●●●○ ✓ |
| ソフトウェア | ●●○○○ | ●●●●○ ✓ |
| コストパフォーマンス | ●●●●○ ✓ | ●●●○○ |
あなたに合うのは?
この比較で分かること
Glorious Model D WirelessとRazer DeathAdder V3 Proは、どちらも右手用エルゴノミクス形状のワイヤレスゲーミングマウスです。しかし¥10,800と¥20,900という価格差が示すとおり、両者の立ち位置はまったく異なります。Model D Wirelessは「ハニカムシェルでコストを抑えつつ、十分な性能を提供するエントリー〜ミドルクラスのエルゴ」。DeathAdder V3 Proは「15年以上の歴史を持つDA形状の集大成となるプレミアムエルゴ」です。
この記事では、スペック表の数字比較ではなく、実際にゲームプレイでどちらが手に合い、エイムに貢献するのかを掘り下げます。
結論(クイックバーディクト)
| カテゴリ | 優勢 | 理由 |
|---|---|---|
| 形状・エルゴノミクス | DeathAdder V3 Pro | 洗練されたDA形状、サムグルーブの完成度が段違い |
| センサー・トラッキング | DeathAdder V3 Pro | Focus Pro 30Kが世代的に優位、ただし実戦差は僅少 |
| ビルド・スイッチ品質 | DeathAdder V3 Pro | ソリッドシェル+光学スイッチが大差をつける |
| バッテリー・無線 | DeathAdder V3 Pro | 90h vs 71h、Bluetooth対応の柔軟性も加点 |
| ソフトウェア | DeathAdder V3 Pro | Synapseの機能性とオンボードメモリ5枠が優位 |
| 価格・コスパ | Model D Wireless | ¥10,800でワイヤレスエルゴが手に入る圧倒的な価格 |
正直に言って、スペック比較ではDeathAdder V3 Proが全カテゴリでリードします。しかしModel D Wirelessの存在意義は「¥10,800で十分に戦えるエルゴマウスを提供する」ことにあり、その役割は見事に果たしています。問題は、¥10,100を追加投資して得られる体験の差があなたにとって意味があるかどうかです。
形状・エルゴノミクス詳細
Glorious Model D Wireless
Model D WirelessはZowie ECシリーズにインスパイアされた右手用エルゴノミクス形状で、130 x 68 x 42mm、69g。最大の特徴はハニカム(六角形の穴あき)シェルで、これにより軽量化を実現しています。ハンプの頂点は後方寄りに配置され、手のひらの付け根にしっかりとフィットする設計です。
右側面の傾斜は緩やかで、薬指と小指が自然に添えられる形状。親指側の溝は浅めで、グリップの自由度はある反面、DeathAdder V3 Proほどの「手を導く」フィット感はありません。
ハニカムシェルは好みが分かれるポイントです。穴の中にホコリや汗が入り込む、指に穴のテクスチャーを感じるなど、気になる人には気になる要素。一方で通気性の良さは確かで、夏場の長時間セッションでは手が蒸れにくいという利点があります。
Razer DeathAdder V3 Pro
DeathAdder V3 Proは128 x 68 x 44mmとModel D Wirelessとほぼ同じフットプリントながら、高さが2mm高く、重量は5g軽い64g。2006年の初代からの系譜を受け継ぎつつ、V3 Proではハンプの頂点をやや中央寄りに調整し、前世代V2 Pro(88g)から24gの大幅軽量化を果たしています。
ソリッドシェルはたわみやきしみがほぼ皆無で、プレミアムマウスにふさわしい剛性感があります。側面のテクスチャードコーティングは汗をかいても滑りにくく、激しいフリック動作でも安定したホールドを提供。サムグルーブ(親指の溝)は広く穏やかなカーブで、親指を自然な位置にガイドしてくれます。
シェルの穴がないため通気性は劣りますが、その分「触った瞬間に価格の差がわかる」剛性感と高級感を持っています。
グリップスタイル別の適性
パームグリップ: 両機種とも得意分野。手の長さ18〜20cmならModel D Wirelessがジャストフィット。19〜21.5cmの中〜大型の手にはDeathAdder V3 Proの高めのハンプと広いサムグルーブがより安定感を発揮します。パームグリップで使うなら、DA V3 Proの2mm高い筐体が手のひらをより確実に支えてくれます。
リラックスドクロウグリップ: DeathAdder V3 Proが優位。ソリッドシェルの剛性により、指の力をかけたときにシェルがたわまない安定感があります。Model D Wirelessのハニカムシェルでもクロウは可能ですが、強くグリップすると穴のエッジが指に当たる感覚がある場合があります。
アグレッシブクロウグリップ: どちらも130mm前後とやや長いため最適ではありませんが、あえて選ぶなら69gのModel D Wirelessの方が指先での操作性は良好です。
フィンガーチップグリップ: 両機種ともエルゴ形状でフィンガーチップには不向き。このグリップを好むなら別のマウスを検討すべきです。
センサー・トラッキング性能
Model D Wireless — BAMF(最大19,000 DPI)
Glorious独自のBAMFセンサーは、PixArt 3370をベースにしたカスタムセンサーです。最大19,000 DPI、400 IPS、40gの加速度耐性。2021年当時としては十分にハイエンドなスペックでしたが、2026年現在の基準ではやや旧世代の位置づけです。
とはいえ、競技で使用される400〜1600 DPI帯域での精度は十分に高く、加速やスムージングのないクリーンなトラッキングを提供します。大多数のプレイヤーにとって、このセンサーが実戦で足を引っ張ることはまずありません。
DeathAdder V3 Pro — Razer Focus Pro 30K
Razer独自のFocus Pro 30Kは、30,000 DPI、750 IPS、70gの加速度と、数値上はBAMFを大きく上回ります。さらにマウスパッド表面を自動認識するSmart Tracking、リフトオフとランディングに異なる距離を設定できるAsymmetric Cut-offなど、独自の付加機能を搭載。
ガラスやミラーの上でもトラッキング可能なマルチサーフェス対応は、Focus Pro系列ならではの特徴です。
実戦での差
率直に言って、400〜1600 DPIでの通常使用ではどちらのセンサーもエイムの妨げにはなりません。ブラインドテストで両者を区別できるプレイヤーはまずいないでしょう。
ただし世代差は確かに存在します。Focus Pro 30Kは消費電力が低くバッテリー持続に貢献し、リフトオフディスタンスの設定精度も高い。BAMFセンサーはリフトオフディスタンスがやや高めになる傾向があり、ローセンシプレイヤーがリフト&リプレースを多用する場合に僅かな差を感じる可能性があります。
日常的なゲームプレイでは差は無視できるレベルですが、「最新世代のセンサーが欲しい」という安心感にはFocus Pro 30Kに軍配が上がります。
ビルドクオリティ・スイッチ
Model D Wireless — Omron製メカニカルスイッチ
Model D WirelessにはOmronメカニカルスイッチを搭載し、2,000万回クリック耐久。クリック感は標準的で悪くないものの、DeathAdder V3 Proと比較すると少しソフトで曖昧に感じられます。
ハニカムシェルの最大の弱点はビルドクオリティです。強めにグリップすると微かなたわみを感じることがあり、マウスを持ち上げた際にシェルの軋む音がする個体報告もあります。2021年リリース当時は「軽量化のために仕方ない」という認識でしたが、2022年以降のソリッドシェルで60g台を実現するマウスが増えた今、ハニカムによる軽量化の代償が目立つようになりました。
サイドボタンは位置・硬さともに良好。スクロールホイールはステップが明確で使いやすい。ソール素材はPTFEで、滑りに不満はありません。ボタン数は6個でRGBにも対応しています。
DeathAdder V3 Pro — Razer Optical Gen-3
DeathAdder V3 Proの光学式Gen-3スイッチは、赤外線ビームで作動を検知するため、メカニカルスイッチで必要なデバウンス処理が完全に不要。理論上のクリック応答速度が速く、チャタリング(意図しないダブルクリック)が構造的に発生しません。耐久性は9,000万クリックと、Model D Wirelessの4.5倍。
クリック感はOmronよりやや軽く短いストロークで、キレのあるクリックフィーリング。ValorantやCS2でのタップ撃ちに特に向いている印象です。
ソリッドシェルの剛性は圧巻で、どこを押してもたわみを感じません。コーティングのテクスチャーは手汗に対する耐性が高く、数時間のセッション後もグリップ力が落ちにくい。大型PTFE製ソール2枚は面積が広く、荷重が均一に分散されるため全方向で安定した滑りを実現しています。
比較まとめ
ビルドクオリティはこの対決で最も差が大きいカテゴリです。ハニカムシェル+Omron 2,000万回スイッチのModel D Wireless vs ソリッドシェル+光学式9,000万回スイッチのDeathAdder V3 Pro。手に取った瞬間、ブラインドテストでも間違いなく違いがわかります。¥10,100の価格差を最も正当化しているのは、この「持った瞬間の質感の差」と言えるでしょう。
バッテリー・ワイヤレス接続
Model D Wirelessは2.4GHzワイヤレス接続で、公称バッテリー持続時間は71時間。RGB LEDをオフにすれば延長可能ですが、フルカラー点灯状態では50時間程度まで下がります。有線接続でも使用可能で、USB-C充電対応。Bluetooth非対応のため、接続は2.4GHzドングルか有線の二択です。
DeathAdder V3 ProはRazer HyperSpeed 2.4GHz接続で公称90時間。RGBを搭載していないため常に安定したバッテリー持続を実現しています。さらにBluetooth接続にも対応しており、仕事用PCやタブレットとの兼用が可能。USB-C充電で約1.5時間でフル充電完了。
バッテリー持続はDeathAdder V3 Proが約27%長く、Bluetooth対応という柔軟性もプラス。Model D Wirelessも71時間あれば週に1〜2回の充電で済みますが、RGB使用時の消費がやや大きい点は注意が必要です。ゲーミング中はRGBオフ、普段使いはRGBオンという使い分けをすると良いでしょう。
ワイヤレス遅延はどちらも実用上問題ないレベルですが、HyperSpeedプロトコルの安定性と低遅延実績ではRazerが業界をリードしている印象です。
ソフトウェア・カスタマイズ
Glorious Core
Model D WirelessはGlorious Coreソフトウェアで設定します。DPIステージ、ポーリングレート(125/250/500/1000Hz)、ボタン割り当て、リフトオフ距離、RGB照明の調整が可能。インターフェースはシンプルで初心者にも分かりやすい設計です。
ただし、リリース当初はソフトウェアの安定性に問題があったという声もあり、マクロ機能やプロファイル管理は競合他社と比べると簡素。オンボードメモリにプロファイルを保存する機能はありますが、1プロファイルのみです。
Razer Synapse 3
DeathAdder V3 ProはRazer Synapse 3に対応。ゲーミング周辺機器ソフトウェアの中で最も機能が充実したツールのひとつで、クラウドプロファイル保存、高度なマクロエディタ、サーフェスキャリブレーション、非対称リフトオフ設定、他Razerデバイスとの連携が利用可能。オンボードメモリは最大5プロファイルを保存でき、大会やLANパーティーなどソフトウェアが使えない環境でも対応できます。
Synapseの弱点として、インストール時の容量が大きくバックグラウンドでのリソース消費がある点は従来から指摘されていますが、最新バージョンではかなり改善されています。
ソフトウェアの結論
機能の豊富さではSynapseの圧勝です。ただし「DPIを設定してポーリングレートを1000Hzにしたら二度とソフトウェアを開かない」という競技プレイヤーにとっては、どちらも十分。RGB設定をこまめに変えたい人にはGlorious Coreも必要十分です。
価格・コストパフォーマンス
Model D Wirelessは¥10,800。2021年リリースのマウスとしてはリーズナブルで、ワイヤレスエルゴ形状・69g・RGB対応・6ボタンという構成を1万円強で手に入れられるのは現在でも魅力的です。ただしセンサーの世代やハニカムシェルという設計は、2026年現在ではやや古さを感じるのも事実。
DeathAdder V3 Proは¥20,900。フラッグシップとしては標準的な価格設定で、Focus Pro 30Kセンサー、光学スイッチ、ソリッドシェル64g、Bluetooth対応、5プロファイルのオンボードメモリと、プレミアムに相応しい全部入り構成。長い歴史を持つDeathAdderシリーズゆえに、グリップテープ・交換用ソール・充電ドックなどサードパーティ製アクセサリーが非常に豊富な点も隠れた強みです。
¥10,100の価格差は正当化されるか? 答えは「Yes、ただし条件付き」です。ビルドクオリティ・スイッチ品質・センサー世代・バッテリー持続・ソフトウェアのすべてでDeathAdder V3 Proが上回っており、これは単なるブランド料ではなく実質的な性能差です。ただし、Model D Wirelessが「ゲームに支障をきたすほど劣っているか」と問われれば、答えはNoです。¥10,800のマウスとして十分に戦えます。
こんな人におすすめ
Glorious Model D Wirelessを選ぶべき人
- 初めてのワイヤレスエルゴマウスを¥10,800以内で試したい
- RGBライティングが欲しい(DeathAdder V3 ProにはRGBがない)
- ハニカムシェルの通気性を好む、または気にならない
- サブマウスとして手軽に使えるエルゴが一台欲しい
- 予算をマウスパッドやヘッドセットに回したい
Razer DeathAdder V3 Proを選ぶべき人
- メインマウスとして長く使える高品質なエルゴが欲しい
- ソリッドシェルの剛性感と高級感を重視する
- 光学スイッチのチャタリングフリーと9,000万クリック耐久に価値を感じる
- Bluetooth接続で仕事用PCとの兼用も視野に入れている
- DeathAdder形状のファンで、最新の完成形が欲しい
- cNedやKeeOhなどプロ選手の使用実績を信頼の証として重視する
最終判定
この対決は「コスパの良いエントリーエルゴ vs プレミアムの完成形エルゴ」という明確な構図です。
Glorious Model D Wirelessは¥10,800でワイヤレスエルゴの基本をしっかり押さえた一台です。センサーやスイッチは最新世代ではありませんが、ランクマッチで不利になるレベルでは決してありません。「エルゴ形状が自分に合うか試してみたい」「サブマウスが欲しい」「予算を他のデバイスに回したい」という人にとって、リスクの少ない良い選択肢です。
Razer DeathAdder V3 Proは¥20,900という投資に見合うだけの、あらゆる面での完成度を持ったマウスです。手に取った瞬間のソリッドシェルの剛性、光学スイッチのキレのあるクリック、DA形状のサムグルーブに親指がすっと収まる感覚。これらは¥10,800のマウスでは得られない体験であり、¥10,100の差額は「毎日数時間触るデバイスの品質への投資」として十分に合理的です。
予算に余裕があるなら、DeathAdder V3 Proを選ぶことを強くおすすめします。ただし「¥10,800で8割の体験が得られるModel D Wirelessを買い、浮いた¥10,100でArtisan零やVAXEE PAのような高品質マウスパッドに投資する」という戦略も、トータルのゲーミング体験としては非常に賢い選択です。最終的に、エイムを左右するのはマウス単体ではなく、マウス・パッド・感度設定の総合力なのですから。
全スペック比較表
| スペック | Glorious Model D Wireless | Razer DeathAdder V3 Pro |
|---|---|---|
| 重量 | 69 | 64 ✓ |
| 長さ | 130 | 128 |
| 幅 | 68 | 68 |
| 高さ | 42 | 44 |
| センサー | BAMF | Focus Pro 30K |
| 最大DPI | 19000 | 30000 ✓ |
| ポーリングレート(最大) | 1000 | 1000 |
| ボタン数 | 6 | 5 |
| 接続方式 | 2.4GHzワイヤレス, 有線USB | 2.4GHzワイヤレス, Bluetooth |
| バッテリー持続時間 | 71 | 90 ✓ |
| 形状 | エルゴノミック(右手用) | エルゴノミック(右手用) |
| RGB | あり | なし |
| ソール素材 | PTFE | PTFE |
| 価格(税込) | 10800 ✓ | 20900 |
| 発売年 | 2021 | 2022 |
✓ は客観的に比較可能な項目で優れている値を示します。
プロ選手の使用状況
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