Pulsar

X2 V2 Wireless

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スペック

重量 52 g
全長 121 mm
60 mm
高さ 38 mm
センサー PixArt PAW3395
DPI範囲 200 – 26,000
ポーリングレート 125 / 250 / 500 / 1000 Hz
ボタン数 5
接続方式 wireless_2.4ghz, wired
バッテリー 70 時間
形状 symmetrical
RGB なし
ソール素材 PTFE
発売年 2023

概要

Pulsar X2 V2 Wirelessは、Pulsarのコンパクト左右対称フラッグシップの第2世代モデルです。2023年発売のV2では、初代X2で指摘されたスクロールエンコーダーの品質・シェル公差・内部設計が改善され、クローグリップとフィンガーチップグリップのユーザーから高い支持を得たシェイプはそのまま継承されています。52gという重量は、ハニカム穴なしの無線マウスとしては最軽量クラスです。

Pulsarは韓国発のメーカーで、LogitechやRazerのような大手ではなく、Endgame Gearのようなニッチブランドでもない、独自のポジションを築いています。エンスージアスト層の信頼と幅広い流通を両立させたブランドであり、X2 V2はその立ち位置を体現する製品です。技術的な完成度が高く、¥14,000という価格設定は競争力があり、「コンパクト左右対称」という形状の意味と価値を理解しているプレイヤーに向けて設計されています。

デザイン・ビルドクオリティ

X2 V2はPC/ABS素材の一体型シェルを採用し、ハニカムカットアウトは一切ありません。穴なしで52gを実現しているのは優れた設計力の証——シェル壁を実用上の限界まで薄くしながら、構造的な剛性を維持しています。表面はマット仕上げで、乾いた手にも汗ばんだ手にも安定したグリップ感を提供します。

ビルドクオリティはこの重量クラスとして非常に優秀です。サイドを押してもたわみなし、トップシェルからのきしみなし、振ってもガタつきなし。メインボタンの隙間は均一で、全体の組み立て精度は高水準。初代X2で報告されていたボタン高さの左右差は、V2で改善されています。

デザインは徹底的にミニマル。RGBライティングなし、過度なブランディングなし、不要な装飾なし。トップシェルにはわずかなテクスチャーが施され、グリップ力を確保しつつ肌触りは滑らかです。左右対称形状のため、サムレストもピンキーレッジもなく、クリーンなカーブのみで構成されています。

底面にはPTFEフィート4枚・電源スイッチ・USB-C充電ポート・DPIボタンが配置されています。DPIボタンを底面に設けることで、ゲームプレイ中の誤操作を防ぐ——競技志向のメーカーが一貫して採用する設計思想です。

シェイプ・グリップ互換性

X2 V2のサイズは121mm×60mm×38mm。これはコンパクトな寸法で、一般的なフルサイズゲーミングマウスより4〜7mm短く、3〜6mm狭いです。このコンパクトさこそがX2 V2の本質であり、選ばれる最大の理由です。

クローグリップ(手の長さ17.0〜19.5cm)— 最適: X2 V2はクローグリップを主要ユースケースとして設計されています。121mmの全長は、クローグリップユーザーが必要とするパームサポートを正確な位置——指の関節より後ろ、手首より前——に配置します。38mmの高さは、アーチした指に十分なクリアランスを提供しつつ、手首が持ち上がりすぎることを防ぎます。

手の長さ17.0〜19.0cm・幅8.5〜9.5cmの場合、X2 V2のクローグリップはオーダーメイドのようなフィット感をもたらします。60mmの幅は、親指と小指が自然にサイドに触れる精密なラテラルグリップを生み出し、横方向のフリック操作の効率を高めます。

19.0〜19.5cmの手でもクローグリップは快適ですが、指がフロントエッジに近づく傾向があります。19.5cmを超えると、快適なクローグリップには短すぎます。

フィンガーチップグリップ(手の長さ16.5〜19.0cm)— 最適: X2 V2は現在入手可能なフィンガーチップグリップマウスの中で最良のひとつです。52gという重量は、持ち上げて再配置する際にほぼ力を必要としません。高速なフリック&リセットのエイム動作において、重量の存在感が消えます。38mmの高さはパームの下に収まり、121mmの全長は指だけでマウス全体を制御できる範囲です。

小さめの手(16.5〜17.5cm)では、マウスが手の自然なグリップ半径に比例して収まります。中程度の手(17.5〜19.0cm)では、やや指を伸ばしますが快適さは維持されます。60mmの幅は、親指・薬指・小指の3点で自然にラテラルコントロールが取れる狭さです。

パームグリップ(手の長さ17.0〜19.0cm): 小〜中サイズの手なら機能しますが、妥協があります。38mmの高さとコンパクトな寸法では、パームがハンプに接触するものの、パームグリップ専用マウスと比べてカバー範囲は限定的です。19cmを超える手では、マウスの後端がパームの自然な着地点に届きません。

17.0〜18.5cmの手なら、リラックスしたパームグリップが成立——ハンプがパーム中央にフィットし、121mmの全長が指を収容します。18.5cmを超えると、パームグリップにはサイズ不足となり、G Pro X Superlight 2(125.9mm)やフルサイズのエルゴノミクスマウスを検討すべきです。

サイズに関する注意: X2 V2は明確にコンパクトマウスです。手の長さ20cm以上、幅10.5cm以上の場合、どのグリップスタイルでも窮屈に感じます。Pulsarは大きな手向けに、幅広・高さのあるX2Hバリアントを用意しています。

52gの操作感: X2 V2の52gは独特のゲームプレイ感覚を生みます。この重量では、わずかな手の動きにも実質ゼロの遅延と抵抗で反応します。トラッキングエイム(Valorantでストレイフする敵を追従、Apex Legendsで動く標的にリード)では、マウスが手の微修正に即座に追従し、卓越したレスポンシブさを発揮します。

フリックエイムでは、80g以上のマウスから移行する場合に調整期間が必要です。慣性がないためマウスは手が止まった位置に正確に停止しますが、重いマウスでのマッスルメモリーには重量による慣性の補正が含まれているため、最初はオーバーシュートする傾向があります。適応期間は通常1〜2週間です。

V1からV2への改善点: V2は初代X2に対するコミュニティの3つの不満を解消しています。第一に、V1で指摘されたエンコーダーのステップ定義の不安定さが、V2ではより触感的で明確なホイールに改良されました。第二に、シェルの公差が改善され、左右クリックのボタン高さが均一になりました。第三に、内部PCBが再配置され、重量バランスが最適化されています。劇的な変更ではなく反復的な改善ですが、コミュニティフィードバックへのPulsarの応答力を示しています。

コンパクト設計の哲学: X2 V2は「手にマウスを合わせる」設計思想を体現しています。大半のメインストリームマウスは125〜130mmの全長で、幅広い手のサイズに対応しますが、どの手にも最適化されていません。X2 V2の121mmは、手の長さ17〜19cmの範囲に対して「万能な適合」ではなく「精密な適合」を提供するために意図的に設計されたサイズです。大きな手には不適ですが、ターゲットの手のサイズにおいては、どの汎用デザインよりも高い適合度を実現します。

センサー性能

PixArt PAW3395は、Endgame Gear XM2wをはじめ数十の競技マウスに搭載されている実績あるセンサーです。DPI範囲は200〜26,000、最大トラッキング速度は400 IPS、加速耐性は40G。リフトオフディスタンスはソフトウェアで調整可能で、デフォルトは約1.0mmです。

X2 V2のPAW3395実装はクリーンで特筆事項がない——ゲーミングセンサーとしてはそれが最良です。ファームウェアレベルのスムージングなし、加速なし、いかなる速度やDPIでもトラッキング異常なし。競技設定(400〜1600 DPI)では、LogitechのHERO 2やRazerのFocus Pro 30Kと区別がつきません。

クリックレイテンシーは約1.8ms、モーションレイテンシーは約5.0ms。競技水準の数値であり、絶対的最低レイテンシーのマウス(Razer Viper V3 Proの約1.0ms)よりわずかに遅いですが、実際のゲームプレイで差を知覚できる範囲を十分に下回っています。

スイッチ・ボタン

X2 V2にはKailh GM 8.0メカニカルスイッチが搭載されています。耐久性は8,000万クリック。押下力は約52gfで、クリスプでクリーンな触感のブレイクを持ちます。Kailh GM 8.0はストックマウススイッチとして最高クラスの評価を受けており、一貫性・耐久性・クリック感のすべてにおいて優秀です。

クリック感は従来のOmronスイッチよりも軽く、Razerの光学式スイッチよりは重い設定です。連射操作(セミオートライフル、アビリティ連打)では、過度な力を必要とせず的確に反応します。8,000万回の耐久レーティングは、長期的な信頼性にも安心感を与えます。

サイドボタンは左側面に2つ配置(両手対応ではありません)。明瞭でタクタイルなクリック感があります。スクロールホイールはV1から改良されたエンコーダーを搭載し、ステップが明確で適度な抵抗感。武器切り替えとマップスクロールの両方に対応します。このエンコーダー改善はV2改訂の主要な理由のひとつで、V1のエンコーダーはコミュニティから批判を受けていました。

接続性・バッテリー

X2 V2は2.4GHz無線またはUSB-C有線で接続します。Bluetoothは非搭載——Pulsarはシンプルさとバッテリー効率を、マルチデバイス接続よりも優先しました。2.4GHz無線は1msのポーリング間隔で安定し、有線接続と知覚可能なレイテンシー差はありません。

バッテリー寿命は52gマウスとして傑出しています。Pulsar公称100時間に対し、実使用(1000Hzポーリング)では約90〜100時間。毎日ゲームをプレイしても2〜3週間に1回の充電で済みます。省電力なPAW3395センサーとRGB非搭載がこの優れたバッテリー性能に貢献しています。

USB-Cでの充電は約1.5時間でフルチャージ。充電中も有線モードで使用可能なため、プレイを中断する必要はありません。付属のUSB-Cケーブルは軽量で柔軟性があり、一時的な有線接続としても使えます。ただし、RazerのSpeedflexケーブルほど洗練されてはおらず、常時有線使用というよりは充電時の便宜機能と捉えるのが適切です。

ソール・滑り

X2 V2には4枚の丸型PTFEフィートが装着されており、厚さは0.8mm。開封直後からグライド品質は優秀——布パッドではスムーズかつ適度な摩擦でプレシジョンエイムに適し、ハードパッドでは薄いフィートに起こりがちなスクラッチ感なく滑らかです。

0.8mmの厚みは快適なライドハイトを提供します。Corepad・Tiger Arc・LeThal Gaming Gearなどのサードパーティフィートも入手可能で、より速い/遅いグライド特性を好むプレイヤーに対応しています。丸型フィートは移動方向を問わず一定の摩擦特性を持ち、円を描くトラッキング動作で特に重要です。

ソフトウェア

Pulsar Fusionが専用ソフトウェアです。DPI設定・ポーリングレート選択・LOD調整・ボタンリマッピング・デバウンスチューニングが可能。インターフェースはクリーンで機能的、過度なビジュアル要素はありません。

X2 V2はオンボードメモリプロファイルを1つ保存可能です。つまり、1つの完全な設定をマウスに保存し、ソフトウェアなしで使用できます。ゲームごとに設定を頻繁に切り替える場合、1プロファイルは制約となります——RazerやLogitechの競合モデルは5プロファイルを搭載しています。

Pulsar Fusionは軽量で控えめ。素早く起動し、設定を適用し、閉じてもマウスの動作に影響しません。設定して使うだけというプレイヤーには、このシンプルさが好評です。

注目すべき機能としてデバウンスチューニングがあります。デバウンス時間を短縮すればクリックレイテンシーが低下する代わりにダブルクリックの誤発生リスクが上がり、延長すれば確実なシングルクリック登録が得られますがレイテンシーが増加します。競技プレイヤーにとっては、デバウンスを2〜4msに設定することで、信頼性を維持しつつ高速なクリックレスポンスを実現できます。このレベルのクリックチューニングはエンスージアスト向けマウスに限られる機能で、競技におけるカスタマイズの幅を広げる有意義なオプションです。

プロ選手の使用状況

Pulsar X2 V2 Wirelessは、大規模なプロeスポーツでの採用が広範に文書化されているわけではありません。Pulsarのエンスージアストコミュニティでの評価は高まっていますが、メジャー大会でプロが使用するスポンサーシップ契約には必ずしも結びついていません。

しかし、X2シリーズ(V1・V2含む)は競技コミュニティで着実に浸透しています。ValorantやCS2のセミプロ・ランク上位プレイヤーの間でX2バリアントの使用が確認されており、特にアジア圏の競技シーンでの採用が目立ちます。手のサイズが比較的小さいアジア地域では、コンパクトマウスの人気が高いことがその背景にあります。

X2 V2のスペック——52g・PAW3395・Kailh GM 8.0・クリックレイテンシー2ms未満——はプロプレイのすべての技術要件を満たしています。コンパクトな寸法は特にアジア競技市場に適しており、手が小さめのプレイヤーが多い韓国・日本でPulsarの存在感が増しているのは地域的な適合性を反映しています。

欧米のエンスージアストコミュニティでは、X2 V2は「ベストコンパクトマウス」「ベストクロー/フィンガーチップマウス」ランキングに常時登場しています。V1からの形状改良と、重量対ビルドクオリティの優れたバランスが高く評価されています。

コミュニティの評価・不満点

高評価ポイント:

不満点:

総評・購入ガイド

おすすめの人: クローグリップまたはフィンガーチップグリップで、手の長さ17.0〜19.5cmのプレイヤー。最軽量クラスかつ最も精密にシェイプされたコンパクト無線マウスを求めるなら、X2 V2はターゲット層にとってほぼ完璧な選択肢です。

見送るべき人: 手の長さが20cmを超える方、Bluetoothによるマルチデバイス接続が必要な方、フルサポートのパームグリップを好む方。コンパクトさは最大の強みであると同時に、最大の制約でもあります。

代替候補:

価格評価: ¥14,000で、PAW3395センサー・Kailh GM 8.0スイッチ搭載の52g無線マウスとしては非常に競争力のある価格です。Razer Viper V2 Proと比較して約¥8,000安く、センサー性能は同等水準をよりコンパクトなフォームで実現しています。クローグリップ・フィンガーチップグリップユーザーで手のサイズが適合するなら、X2 V2は競技ゲーミングマウスとして最もコストパフォーマンスの高い選択肢のひとつです。

X2 V2は「自分の手を知っているプレイヤー」に報いるマウスです。手のサイズを計測し、グリップスタイルを特定し、コンパクト左右対称形状が自分に合うと確認した上で選べば、¥14,000で得られる体験はほぼ完璧です。まだ好みを模索中の段階であれば、X2 V2のコンパクトな寸法はリスクの高い選択——サイズの余裕がないため、合わなかった場合の逃げ場がありません。ターゲット層にとっては卓越した一台、それ以外の人には不向き。その明確な目的意識こそが、このマウスを特別な存在にしています。

韓国・日本を中心としたアジアの競技シーンでは、X2 V2はコミュニティスタンダードとしての地位を築きつつあります。Pulsarの韓国ルーツが意味するのは、このマウスがアジア人の手の比率を念頭に設計されているということ。クローグリップの最適範囲である17.0〜19.0cmは、これらの地域で一般的な手のサイズと近接しています。この地域的なフィットが、アジア競技シーンでのX2の強いコミュニティプレゼンスを説明しており、Pulsarが今後もこのサイズカテゴリーを深化させていくことを示唆しています。