Ninjutso

Origin One X

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スペック

重量 39 g
全長 126 mm
60 mm
高さ 38 mm
センサー PixArt PAW3395
DPI範囲 400 – 26,000
ポーリングレート 125 / 250 / 500 / 1000 Hz
ボタン数 5
接続方式 wired
バッテリー 有線(バッテリーなし)
形状 symmetrical
RGB なし
ソール素材 PTFE
発売年 2022

概要

Ninjutso Origin One Xは、Zowie ECシリーズの伝統的なエルゴノミクス形状を39gという驚異的な軽さで実現した有線ゲーミングマウスです。2022年発売。ターゲットは明確で、長年EC形状を使い込んできたプレイヤーが「同じ形状をもっと軽く」と求めたとき、その答えとなる製品です。39gという重量はFinalmouse Starlight-12(42g)をも下回り、市販ゲーミングマウスとして史上最軽量クラスに位置します。

Ninjutsoは大手メーカーのような知名度を持たない小規模エンスージアストブランドです。Origin One Xが話題になるのは主にRedditのr/MouseReviewやDiscordのマウスコミュニティ。もしNinjutsoという名前を初めて聞いたなら、それは当然のこと。逆にすでに知っているなら、このマウスがなぜ重要なのかも理解しているはずです。

デザイン・ビルドクオリティ

39gの軽さはハニカムシェル構造によって実現されています。トップシェルとボトムに六角形の穴が規則的に配置され、構造的な強度を維持しながら大幅な肉抜きを行っています。PC/ABSシェルは一般的なゲーミングマウスより薄く、極限の軽量化に貢献。

コーティングはマット仕上げでシンプル。ソフトタッチや抗菌コート、グリップテクスチャといった特殊処理はありません。ただし39gという軽さでは、コーティングの摩擦係数が操作感に与える影響は重いマウスほど大きくありません。重量に逆らってグリップを維持する必要がそもそもないからです。

ビルドクオリティは重量と価格を考慮すれば良好です。ハニカム部分を押すと若干のフレックスがありますが、これはこの重量帯のパーフォレーションシェルに共通する特性。きしみや脆さは感じません。小規模ブランドとしてNinjutsoはハニカム構造を的確に仕上げており、通常のゲーミング使用で不満が出るレベルではありません。

付属のパラコードケーブルは細くしなやかで、エンスージアストが他のマウスに後付けするアフターマーケット品と同等の品質。マウスバンジーと組み合わせればケーブルの抵抗はほぼ感じません。ただし39gという超軽量では、ケーブルの引っ張りが操作感に占める割合が重いマウスより大きいため、競技プレイではバンジーの使用が事実上必須です。

底面にはPTFEソール4枚、DPIボタン、センサーレンズを配置。ワイヤレスドングルやソフトウェアスイッチはなく、有線専用設計です。

形状・グリップ相性

Origin One Xのサイズは全長126mm、幅60mm、高さ38mm。形状はZowie EC2の忠実な再現——右手用エルゴノミクスデザインで、後方に張り出したハンプ、左側面の親指溝、右側面のフレアを備えています。EC系マウスを使ったことがある人なら、手に取った瞬間に馴染みのある感触を得られるでしょう。

かぶせ持ち(手の長さ18.0〜20.0cm)——最適: ECクローン形状はゲーミングマウス史上、かぶせ持ちとの相性が最も良いデザインのひとつです。Origin One Xの寸法は中〜やや大きめの手で手のひら全体がフィットするサイズ感。後方ハンプが手のひらの中心を埋め、親指溝が自然なポジションにガイドし、右側面のフレアが薬指と小指を支えます。

手の長さ18.0〜20.0cm、幅9.5〜10.5cmであれば、Origin One XはZowie EC2-Cとまったく同じ形状のかぶせ持ち体験を提供します。ただし重量は73gではなく39g。この34gの差がかぶせ持ちの体験を根本から変えます。低速トラッキングで意識的に力を入れていた動作が自然にできるようになり、持ち上げ→再配置のサイクルは空気を動かすような感覚に。

EC2のプロポーション(全長126mm、幅60mm)はRazer DeathAdder V3(128mm、68mm)よりわずかに小さく、大きな手よりも中サイズの手に適しています。手の長さが20cmを超える場合、幅60mmをやや狭く感じる可能性があります。

73gから39gへの重量削減は47%に相当し、市場にあるほとんどのマウス間の重量差よりも大きい。手の動かし方そのものが変わります。力を込めた意図的な操作は不要になり、手の自然な微動にマウスがゼロ抵抗で追従します。

つかみ持ち(手の長さ17.5〜19.5cm): リラックスしたつかみ持ちに好適。エルゴノミクス形状のハンプが手のひらの付け根を支えつつ、指はフロントボタンの上でカーブした状態を維持できます。高さ38mmはDeathAdder V3(44mm)より低いため、かぶせ持ちへの移行が起きにくい。エルゴノミクスのサポートを得つつも完全なかぶせ持ちにはしたくないプレイヤーに、Origin One Xは良いバランスを提供します。

39gの軽さはつかみ持ちのフリックで真価を発揮——マウスが手首の動きに慣性なしで即座に反応し、素早いマイクロアジャストメントが正確かつ楽に行えます。

つまみ持ち(手の長さ17.0〜19.0cm): 使用可能だが理想的ではありません。エルゴノミクス形状は本質的に、つまみ持ち向けの左右対称マウスより幅広く高さがある。幅60mmと右側面のフレアが、つまみ持ちで重要な指の横方向の動きを制限する場合があります。つまみ持ちが主体ならPulsar X2 V2のような左右対称マウスのほうが適していますが、39gの軽さがあれば適応できるプレイヤーもいるでしょう。

センサー性能

PixArt PAW3395センサーを搭載。DPI範囲は400〜26,000、最大トラッキング速度400 IPS、加速度耐性40G。リフトオフディスタンス(LOD)はNinjutsoソフトウェアで調整可能で、デフォルトは約1.2mm。

PAW3395は実績のあるフラットレス(補正なし)ゲーミングセンサーです。Origin One Xでの実装はEndgame Gear XM2wやPulsar X2 V2と同等——スピンアウトなし、加速なし、あらゆるDPIレベルでスムージングなし。トーナメント対応の性能を備え、市場のどのマウスとも対等に競えます。

クリックレイテンシーは約2.5ms、モーションレイテンシーは約6.0ms。現行最速のマウス(Razer Viper V3 Proの約1.0ms)には及びませんが、競技レベルで許容される範囲内。PAW3395の低消費電力によりセンサーの発熱が抑えられ、長時間セッションでのトラッキング安定性に寄与します。

デフォルトの1.2mm LODはやや高め。低感度で頻繁にマウスを持ち上げるプレイヤーは、ソフトウェアでLODを下げることを推奨します。0.8〜1.0mmに設定すると、持ち上げ時のトラッキングカットオフが競技FPSにより自然な感覚になります。

スイッチ・ボタン

メインスイッチにはKailh GM 8.0メカニカルスイッチを採用。耐久性は8,000万クリック。押下力は約55gfで、明確なタクタイルブレイクを伴うクリスプな操作感。Kailh GM 8.0はマウスエンスージアストコミュニティで最も評価の高いスイッチのひとつであり、Ninjutsoのスイッチ選定はターゲット層の価値観を正確に理解していることを示しています。

左右クリックの一貫性は良好——押下力とストロークに大きな差はありません。ただしEndgame Gear XM2wのような個体選別は行われていません。クリック感はRazerのオプティカルスイッチよりやや重いものの、タクタイルフィードバックが強く、クリック登録の確認感を好むプレイヤーには適しています。

左側面のサイドボタンは実用的なクリック感。最もタクタイルなサイドボタンとは言えず、ストロークにやや遊びがありますが、アビリティバインドやユーティリティ操作で問題なく機能します。スクロールホイールは標準的なメカニカルエンコーダーで、中程度の抵抗と明確なノッチ感。この価格帯のマウスとして、スイッチとボタンの品質は期待通りです。

接続性・バッテリー

Origin One Xは有線専用。パラコードケーブルは細くしなやかな構造でUSB-Aコネクタを使用。ストックケーブルとしてはトップクラスの品質で、バンジーを使えばほとんどの操作でワイヤレスに近い感覚が得られます。

バッテリーなし、ワイヤレス技術なし、Bluetoothなし。有線専用設計は重量を絶対的な最小値に抑え、ワイヤレス関連の懸念を完全に排除します。ターゲット層——重量を何よりも優先するエンスージアスト——にとって、有線設計は妥協ではなく機能です。

39gでは、ケーブルの引っ張りが操作感に占める比重が重いマウスよりはるかに大きくなります。マウスバンジーの使用を強く推奨。バンジーなしでは、マウス重量に対するケーブルの相対的な重さが大きなスワイプ時に顕著な抵抗として感じられます。

ソール・滑り

Origin One Xには4枚のPTFEソールが付属し、厚さは約0.8mm。布パッドではスムーズ、ハードパッドでも良好な滑り。ソール品質は及第点——プレミアムグレードではありませんが、一般的なストックソールより上。

CorepadやTiger Arcのアフターマーケットソールが入手可能で、エンスージアストコミュニティではアップグレードが推奨されています。ソール寸法はEC2互換の一般的なサイズに適合するため、Zowie EC2-C用に設計されたアフターマーケット品がそのままOrigin One Xに使用できます。39gの軽さではソールの滑り特性が操作感に占める割合がより大きくなります。マウス自体の質量が極めて小さいため、ソールの摩擦が移動時に感じる全抵抗の中でより大きな比率を占めるからです。

ソフトウェア

Ninjutso Softwareは基本的かつ実用的。DPI設定、ポーリングレート選択、LOD調整、ボタンリマッピングが可能。インターフェースはミニマルで、視覚的な装飾は最小限です。

オンボードメモリは1プロファイル対応。ソフトウェアは設定時に短時間使用して閉じる設計——エコシステム統合もRGB管理も高度な機能もありません。Origin One Xのターゲット層にとって、このシンプルさは許容範囲です。DPIを設定し、LODを調整し、ソフトウェアを閉じる。それだけで十分。

LOD調整はOrigin One Xにおいて特に重要です。デフォルトの1.2mmは競技FPSには高すぎる。ソフトウェアで0.8〜1.0mmに下げることを最初の設定ステップにすべきです。39gの軽さに低LODを組み合わせると、持ち上げ→再配置のサイクルが驚くほど高速になります。持ち上げ中の不要なトラッキングがほぼ発生せず、マウスが瞬間移動するような感覚です。

プロ選手の使用状況

Ninjutso Origin One Xにはプロeスポーツでの採用実績が文書化されていません。Ninjutsoはスポンサーシップ体制やプロチームとの関係を持たない小規模エンスージアストブランドであり、このマウスはエンスージアストコミュニティの中だけで存在しています。

ただし、Origin One Xが再現するEC形状はeスポーツ史上最も重要な形状のひとつです。Zowie EC2は10年以上にわたりプロCSプレイヤーに使用されてきました。device(Astralis)やHakis(NIP)といった選手がEC2バリアントで最高峰の舞台を戦っています。Origin One Xはそのシェイプのエッセンスを、はるかに軽い重量で提供します。

Origin One Xの競技面での訴求力は重量に集約されます。39gは、ECスタイルのエルゴノミクスマウスで入手可能な最も極端な軽量化です。「軽いほど良い」と確信し、EC形状を何年もの使用で自身の好みとして確認済みのプレイヤーにとって、Origin One Xは論理的な到達点です。

コミュニティでの評価はOrigin One Xを「形状確認済みマウス」として位置づけています。多くのマウスを試し、EC2を理想の形状と特定し、その形状を絶対的に軽くしたいプレイヤーのための製品です。最初の1台や安全な選択肢ではありません。自分が何を求めているか正確に把握しているプレイヤーのためのマウスです。

Origin One Xは市場の興味深い力学も浮き彫りにしています。EC形状の生みの親であるZowieは40g以下のEC派生モデルを出していません。RazerのDeathAdder V3も有線59gにとどまります。Ninjutsoは、より少ないリソースとより低い知名度で、ZowieもRazerも提供していない39gのECクローンを実現しました。これが可能なのは、小規模ブランドが大手では採算が合わないニッチ層を狙えるからです。39gハニカムECの市場はRazerの生産規模には小さすぎますが、Ninjutsoの規模にはちょうど良い。

Origin One Xを検討しているプレイヤーへ——問うべきは「これは良いマウスか?」ではなく「自分はEC形状を好みの形状として確認済みか?」です。答えがイエスで、誰よりも軽いEC形状を求めるなら、Origin One Xはそれに応えます。まだ形状を探索中なら、Zowie EC2-CやDeathAdder V3から始めてください。入手しやすく、返品も容易で、形状を最も洗練された形で体験できます。

コミュニティの評価・不満点

高評価ポイント:

不満・注意点:

総評・購入ガイド

価格: オープン価格(海外直販)。Ninjutsoは海外の小規模ブランドであり、日本国内での正規流通は限定的です。購入は主に海外通販サイトを経由する形になります。海外定価は$89.99前後。

こんな人におすすめ: EC形状を長年使い込み、その形状を最軽量で体験したいエンスージアスト。PAW3395センサーとKailh GM 8.0スイッチを39gのボディに搭載したOrigin One Xは、「EC形状・最小重量」の究極形。手の長さ18.0〜20.0cmのかぶせ持ちユーザーで、EC形状への信頼が確立しているなら、このマウスは最高の選択肢になり得ます。

こんな人は見送りを: ワイヤレスが必須、EC形状をまだ試したことがない(Zowie EC2-Cから始めてください)、ハニカムシェルが苦手。Origin One Xはメインストリームの選択肢を使い尽くし、極端なものを求めるエンスージアスト向け製品です。

代替候補:

Origin One Xは「探求の終着点」であり「出発点」ではありません。ECスタイルのマウスを試し、その形状が自分の手に合うと確認し、軽いほど良いと決断した——その前提で初めて成立する製品です。その条件が満たされるなら、39gの重量と忠実なEC2形状の再現は、ゲーミングマウス市場で最も目的が明確な製品のひとつと言えます。ひとつのこと——EC形状を最小重量で提供すること——だけに集中し、そのひとつを卓越したレベルで実現しています。

マウス市場全体にとっても、Origin One Xは小規模エンスージアストブランドが大手にはできない分野で革新できることの証明です。もしOrigin One Xが超軽量ECクローンに十分な需要があることを示せば、ZowieやRazerが50g以下のエルゴノミクス派生モデルを開発する後押しになるかもしれません。それはブランドの好みに関係なく、コミュニティ全体にとっての恩恵です。