G705
スペック
| 重量 | 85 g |
|---|---|
| 全長 | 112.7 mm |
| 幅 | 58.9 mm |
| 高さ | 39.6 mm |
| センサー | HERO 25K |
| DPI範囲 | 100 – 8,200 |
| ポーリングレート | 125 / 250 / 500 / 1000 Hz |
| ボタン数 | 6 |
| 接続方式 | wireless_2.4ghz, bluetooth |
| バッテリー | 40 時間 |
| 形状 | symmetrical |
| RGB | あり |
| ソール素材 | PTFE |
| 発売年 | 2022 |
Logitech G705 と他のマウスを比較
概要
Logitech G705は、2022年にAurora Collectionの一部として登場したコンパクトワイヤレスゲーミングマウスです。ターゲットは明確で、小さな手のプレイヤーやカジュアルゲーマー。全長112.7mmというコンパクトなボディに、HERO 25Kセンサー、LIGHTSPEED 2.4GHzワイヤレスとBluetooth両対応、RGB照明を詰め込みました。
重量85gは超軽量とまでは言えませんが、このサイズ帯では十分に軽い部類です。バッテリーは約40時間、ボタン数は6。価格は¥11,000で、LogitechのワイヤレスゲーミングマウスとしてはG Pro X Superlightより手頃な位置づけです。eスポーツで勝つための尖った道具ではなく、手の小さいプレイヤーが快適にゲームを楽しむための実用マウスとして設計されています。
デザイン・ビルドクオリティ
G705はひと目で他のゲーミングマウスと違うことがわかります。直線的でアグレッシブな外観が主流のゲーミングマウス市場において、G705は丸みを帯びた柔らかいフォルムを採用。角張ったエッジは見当たらず、全体がなめらかな曲面で構成されています。Aurora Collectionの設計思想である「ゲーミングデバイスのデザインをもっとパーソナルに」というコンセプトが、形状に直接反映されています。
カラーバリエーションはホワイトミストを基調としたものが代表的で、他にもブラックやピンクなどが展開されています。Auroraシリーズ共通の半透明パーツを組み合わせたデザインは、好みが分かれる部分ですが、従来のゲーミングマウスにはなかった個性を持っています。RGB照明はマウス前面と底面から光り、G HUBソフトウェアで色やパターンを自由にカスタマイズ可能です。デスク周りの雰囲気づくりを重視するプレイヤーにとって、見た目の満足度は高いでしょう。
ビルドクオリティは価格帯相応にしっかりしています。シェルを左右から挟んでも大きな撓みはなく、振ってもパーツが遊ぶようなカタカタ音は出ません。ただし、G Pro X Superlightのようなソリッドな一体感とまでは言えず、軽く押すとサイドパネルにわずかな弾力を感じます。実使用で問題になるレベルではありませんが、剛性を最重要視するプレイヤーは実機を触って確認することをおすすめします。
表面のテクスチャはマットな仕上げで指紋が目立ちにくく、軽いグリップ感があります。汗をかいてもすぐに滑る感覚はなく、長時間のセッションでも安定して持てます。USB-C充電ポートはマウス前面に配置されており、充電しながらの使用も可能です。
形状・グリップ互換性
G705の最大の特徴は、そのコンパクトさです。全長112.7mm × 幅58.9mm × 高さ39.6mmというサイズは、一般的なゲーミングマウスより一回り以上小さい。比較として、G Pro X Superlightは全長125.0mm × 幅63.5mm × 高さ40.0mmですから、全長で12mm以上、幅で4.6mm、G705のほうが小さいことになります。この差は数字以上に手に持ったときのフィーリングに表れます。
形状は左右対称ですが、サイドのカーブが強めに内側に入り込んでおり、小さな手でも両側面をしっかりホールドできるように設計されています。リアハンプは高さ39.6mmで、手のひらの奥に向かって穏やかに盛り上がる形状。急峻なコブではなく、なだらかな丘のようなカーブです。
パームグリップ(手の長さ15〜17.5cm、幅8〜9cm)
小さな手でのパームグリップこそ、G705が最も活きる持ち方です。手の長さ16cm前後のプレイヤーが手のひら全体をマウスに預けると、リアハンプが手のひらの中央にちょうど収まり、指先がメインボタンの先端まで自然に届きます。幅58.9mmは小さな手の親指と薬指で無理なく挟める太さで、側面のくびれがフィット感を高めています。
手の長さが18cmを超えると、パームグリップではマウスから手がはみ出す感覚が強くなります。指先がマウスパッドに触れてしまったり、手のひらの後端がマウスの背面を超えてしまったりする状態です。手の長さ18cm以上でパームグリップを好むなら、G Pro X SuperlightやDeathAdder V3など、より大きなマウスを検討してください。
クローグリップ(手の長さ15.5〜18cm)
クローグリップとの相性も良好です。手のひらの付け根(ヒール部分)をリアハンプに当て、指を立ててクリックする持ち方で、112.7mmの全長が短い分、指の曲げ角度が深くなりすぎず、自然なアーチを描けます。高さ39.6mmのハンプは手のひらをやや持ち上げる程度で、クローグリップ時の手首角度に無理が生じません。
手の長さ16〜17cmのクローグリッパーがこのマウスの最適ゾーンです。85gの重量はクロー持ちでの細かい操作に十分に軽く、リフト&リポジションも楽に行えます。18cmを超えると指先のスペースが窮屈に感じ始めますが、17.5cm程度までなら問題なく使えるでしょう。
フィンガーチップグリップ(手の長さ16〜18.5cm)
フィンガーチップグリップでは、G705のコンパクトさが有利に働きます。手のひらをマウスに触れずに指先だけで操作する持ち方では、マウスの全長と幅が小さいほうが取り回しやすく、G705の112.7mm × 58.9mmは指先でのコントロールに適したサイズです。85gの重量は指先だけで支える持ち方ではやや重さを感じるかもしれませんが、実用上は問題ない範囲です。
手の長さ18cm以上のプレイヤーがフィンガーチップで使う場合、むしろちょうど良いサイズ感になることがあります。大きめの手にとっては「小さいマウスを指先で操る」感覚がフィンガーチップの本質と合致するためです。ただし手幅が10cmを超えるプレイヤーは、幅58.9mmでは側面の保持が不安定になる可能性があります。
全体的に、G705は手の長さ15〜17.5cm、手幅8〜9.5cmのプレイヤーに最もフィットします。この範囲の手のサイズを持つプレイヤーが十分にフィットするワイヤレスマウスの選択肢は、市場においてまだ多くありません。
センサー性能
HERO 25KはLogitechが自社開発した光学センサーで、G705ではDPI範囲が100〜8,200に設定されています。G Pro X Superlightなど他のHERO 25K搭載機では最大25,600DPIまで設定可能ですが、G705では8,200DPIが上限です。カジュアルゲーマー向けの製品設計に合わせた制限と考えられます。
実用面では、この制限はほとんどのプレイヤーに影響しません。FPSゲームで一般的に使用されるDPIは400〜1,600の範囲で、8,200DPIでも十分すぎる余裕があります。高DPIを使う一部のプレイヤー(4K解像度でのデスクトップ操作、特定のゲーム設定など)でも、8,200DPIで不足するケースはまれでしょう。
トラッキング精度は十分に高く、低DPIでのスローモーション時も高DPIでの高速フリック時も、カーソルの追従にブレはありません。スピンアウト(センサーが追跡を失う現象)も通常の使用では発生しません。ただし、最大トラッキング速度や加速耐性はHERO 2やFocus Pro 36Kなどの最新世代センサーには及びません。プロレベルの反応速度を要求されるシーンでは、より新しいセンサーを搭載したマウスのほうが安心できるかもしれません。
リフトオフディスタンス(LOD)はG HUBで調整可能です。低感度のアームエイマーがリフト&リポジションを行う際に、不要なカーソル移動を抑制できます。
スイッチ・ボタン
メインスイッチにはメカニカルスイッチが採用されています。押下感は軽すぎず重すぎず、明確なタクタイルフィードバックがあります。意図しないミスクリックが起きにくい適度な抵抗感で、ゲームプレイ中の信頼性は問題ありません。
左サイドには2つのサイドボタンを備えています。ボタンのサイズは標準的で、突出量も適切。親指で手探りしても位置を見失うことはなく、押し込みのストロークと反発も明瞭です。ゲーム内のアビリティ発動やボイスチャットのPush-to-Talkなど、頻繁に使う操作を割り当てるのに十分な品質です。
スクロールホイールは段階式で、ノッチ(段差の感触)は中程度。回転時のクリック感が適度にあり、FPSでの武器切り替えにも使えます。ホイール周囲にはRGBのリングライトが配置されており、視覚的なアクセントになっています。ホイールのクリック(中央ボタン)はやや硬めの押し込み感で、不意に中クリックが入る心配はありません。
ボタン数は合計6で、競技マウスと比べると少なめです。右サイドボタンやDPIシフトボタンなどは搭載されていません。MMOやMOBAで多数のキーバインドを必要とする場合は不足を感じるでしょう。FPSやカジュアルゲームでは6ボタンで十分です。
接続性・バッテリー
G705はLIGHTSPEED 2.4GHzワイヤレスとBluetoothの2つの接続方式に対応しています。ゲーム時はLIGHTSPEEDで低遅延接続、普段のPC作業やタブレット操作ではBluetoothに切り替えるという使い分けが可能です。このデュアル接続は、G Pro X Superlightにはない機能で、ゲーム専用ではなく日常使いも想定した設計です。
バッテリー駆動時間はLIGHTSPEED接続時で約40時間。RGBライティングの設定やDPIによって前後しますが、RGBをオフにすれば駆動時間はさらに延びます。1日3〜4時間使う場合、1週間から10日ほどは充電なしで運用できます。充電はUSB-Cで、充電中もプレイ可能。フル充電まで約2時間です。
レシーバーはUSB-A形状で、マウス底面に収納コンパートメントがあり、持ち運び時の紛失防止に配慮されています。外出先でノートPCに接続する場合はBluetoothが便利で、デスクトップPCではLIGHTSPEEDレシーバーを挿しっぱなしにする運用が一般的です。
マウスソール・滑り
底面にはPTFEソールが配置されています。滑りは標準的で、クロスパッド(布製パッド)の上ではスムーズに動きます。ハードパッド上ではやや引っかかりを感じる場合がありますが、実用上問題になるレベルではありません。
ストックソールに不満がある場合は、社外ソールへの交換も選択肢です。ただしG705はコンパクトなサイズゆえに対応する社外ソールの選択肢がG Pro X Superlightほどは豊富ではない点には留意してください。
ソフトウェア
Logicool G HUBでDPI、ポーリングレート、ボタンマッピング、RGB設定などを管理します。RGB照明のカスタマイズはG705の魅力のひとつで、カラー、パターン、明るさを細かく調整できます。Aurora Collectionの他のデバイス(G713キーボードなど)と照明を同期させることも可能です。
オンボードメモリに設定を保存すれば、G HUBを閉じた状態でもDPIやボタン設定は維持されます。G HUBの起動の遅さやUIのもっさり感は長年の課題ですが、設定を完了したらアンインストールしても問題ありません。
プロ選手の使用状況
結論から言えば、G705を競技シーンで使用しているプロ選手は確認されていません。eスポーツのプロがデバイスを選ぶ際は、センサー性能の上限、軽さ、形状の万能性を最優先するため、DPI上限が8,200に制限され、85gの重量のG705は競技向けマウスのカテゴリには入りません。
しかし、それはG705が悪いマウスだということではなく、設計の方向性が異なるということです。G705は「勝つため」のマウスではなく、「快適に使うため」のマウスとして開発されています。小さな手のプレイヤーが長時間無理なく使えること、デスクワークからゲームまで1台で対応できること、デザインとして所有する喜びがあること。これらはプロシーンでは評価されない軸ですが、多くのゲーマーにとっては重要な要素です。
小さな手に合うゲーミングマウスは、市場において選択肢が限られています。多くのゲーミングマウスは手の長さ18〜20cm前後を想定した設計で、手の長さ15〜16cmのプレイヤーがパームグリップで快適に使えるものはなかなか見つかりません。G705の全長112.7mmは、この層のプレイヤーにとって数少ないフィットするマウスのひとつです。
ストリーマーやコンテンツクリエイターの間では、見た目の可愛さやAurora Collectionとしての統一感から選ばれるケースがあります。デスクセットアップの美しさを重視する層にとって、G705のデザイン性は大きな訴求力を持っています。競技で勝てるかどうかだけがマウスの価値ではない、ということをG705は体現しています。
よくある評価と不満
高く評価される点:
- 小さな手にフィットするコンパクトサイズ。手の長さ15〜17.5cmのプレイヤーにとって貴重な選択肢
- LIGHTSPEED + Bluetooth のデュアル接続。ゲームと日常使いを1台でカバー
- Aurora Collectionのデザイン性。RGB照明と丸みのあるフォルムが独自の存在感
- G HUBで細かいRGBカスタマイズが可能
- USB-C充電対応
不満として挙がる点:
- DPI上限が8,200に制限。他のHERO 25K搭載機では25,600まで設定可能
- 85gは2025年基準では「軽い」とは言いにくい。50〜60g台のマウスが増えた現在、やや重さを感じる
- バッテリー40時間は同価格帯のワイヤレスマウスとしては短め
- 競技向けの性能チューニングではない。ポーリングレートも最大1000Hz
- 社外ソールの選択肢がG Pro X Superlightほど充実していない
- 丸みのあるデザインは好みが分かれる。ゲーミングらしい外観を求めるプレイヤーには合わない場合がある
総評・購入ガイド
G705は「小さな手のためのまともなワイヤレスゲーミングマウス」という、ありそうでなかったポジションを埋める製品です。全長112.7mmのコンパクトボディ、LIGHTSPEED + Bluetoothのデュアル接続、Aurora Collectionの個性的なデザイン。競技性能では最前線のマウスに譲りますが、手の小さいプレイヤーが快適にゲームを楽しむための道具としては、十分に完成度の高い一台です。
¥11,000の価格帯で、LIGHTSPEEDワイヤレスとBluetoothの両方に対応し、HERO 25Kセンサーを搭載したマウスを入手できるのは、コストパフォーマンスの観点でも悪くありません。
購入すべき人: 手の長さ15〜17.5cm、手幅8〜9.5cmのプレイヤー。パームまたはクローグリップ。ゲームだけでなくデスクワークにもBluetoothで使いたい。デザイン性や見た目のかわいさも重視する。競技のトップレベルを目指しているわけではなく、カジュアルに楽しめる快適なマウスを探している。
見送るべき人: 手の長さ18cm以上(G Pro X SuperlightやViper V3 Proなど、より大きなマウスを検討)。50〜60g台の超軽量を求める(Pulsar X2やFinalmouse UltralightXを検討)。4000Hz以上のポーリングレートやDPI 25,600以上が必要(競技特化型マウスを検討)。ゲームでの勝利を最優先する(競技向けのマウスのほうが後悔が少ない)。
代替候補: 同じく小さな手向けならRazer Orochi V2(全長108mm、重量60g、よりコンパクトで軽い)。もう少し予算を出せるならPulsar X2 Mini(全長114mm、重量55g、競技性能も備える)。Logitech製品で競技志向ならG Pro X Superlight(全長125mm、より大きいが形状の実績は圧倒的)。自分の手のサイズとグリップスタイルに合ったものを選ぶことが、どんなスペックよりも重要です。