G304 Lightspeed
スペック
| 重量 | 99 g |
|---|---|
| 全長 | 116.6 mm |
| 幅 | 62.15 mm |
| 高さ | 38 mm |
| センサー | HERO |
| DPI範囲 | 200 – 12,000 |
| ポーリングレート | 125 / 250 / 500 / 1000 Hz |
| ボタン数 | 6 |
| 接続方式 | wireless_2.4ghz |
| バッテリー | 250 時間 |
| 形状 | symmetrical |
| RGB | なし |
| ソール素材 | PTFE |
| 発売年 | 2019 |
Logitech G304 Lightspeed と他のマウスを比較
概要
Logitech G304 Lightspeedは、予算帯ワイヤレスゲーミングマウスの代名詞です。海外ではG305として販売されており、日本市場向けの型番がG304。中身は同一製品で、2019年の発売以来、¥5,500という価格でLIGHTSPEED 2.4GHz接続とHEROセンサーを提供し続けています。
このマウスの存在意義は明快です。「ワイヤレスゲーミングマウスに¥20,000は出せないが、有線には戻りたくない」というプレイヤーに、実用的な解を提示すること。99gという重量は2025年の基準では軽量とは言えませんが、HEROセンサーの精度とLIGHTSPEEDの低遅延接続は価格を超えた性能を持っています。単三電池1本で約250時間という驚異的なバッテリー寿命も、日常使いの信頼性を支える要素です。
G Pro X SuperlightやViper V3 Proが「最高のパフォーマンス」を追求するマウスだとすれば、G304は「十分なパフォーマンスを最小のコストで」という思想で設計されています。この割り切りこそが、発売から6年以上経った今でもG304が売れ続けている理由です。
デザイン・ビルドクオリティ
シェル素材はABSプラスチック。表面は光沢のないマット仕上げで、指紋はほぼ付きません。高価格帯のマウスに見られるソフトタッチコーティングやラバーグリップは施されておらず、素材そのものの質感がそのまま手に触れます。好みは分かれますが、コーティングが剥がれたりテカったりする経年劣化の心配がない点は実用上のメリットです。
ビルドクオリティは価格を考慮すれば十分な水準にあります。シェルを強く押すとわずかに撓む箇所がありますが、通常のゲームプレイで気になるレベルではありません。振るとかすかにカタカタ音がする個体もありますが、これは電池式マウス共通の特性で、電池の固定をティッシュやテープで補強すれば解消できます。
G304の外観デザインは控えめです。RGB照明は非搭載、ロゴマークも目立たない配置。ゲーミングデバイスにありがちな派手さを排した実用本位の見た目は、オフィスで使っても違和感がありません。カラーバリエーションはブラック、ホワイト、ブルー、ライラックなど複数展開されています。
電池カバーは本体上部のシェル全体がカバーを兼ねる構造です。マグネット固定でワンタッチで開閉でき、電池交換は数秒で完了します。底面にはUSB-Aレシーバーの収納スペースが設けられており、持ち運び時の紛失防止に配慮されています。電源スイッチも底面にあり、オン/オフの2ポジション。シンプルで迷いようがない設計です。
¥5,500のマウスに¥20,000クラスの質感を期待するのは酷ですが、G304のビルドは「安かろう悪かろう」ではありません。必要な機能を過不足なく備えた、堅実な作りです。
形状・グリップ互換性
サイズは全長116.6mm、幅62.15mm、高さ38.0mm。左右対称デザインで、右利き・左利きどちらでも使用可能です。ただしサイドボタンは左側面のみに配置されているため、左手使用時はサイドボタンへのアクセスが制限されます。
G304の形状は、クラシックなLogitechの小型マウスの系譜にあります。丸みを帯びた卵型のシルエットで、極端なくびれや突起がない。この「癖のなさ」が幅広いグリップスタイルとの互換性を生んでいます。高さ38.0mmは中〜低めのプロファイルで、手のひらを押し上げる力は穏やか。幅62.15mmはやや細身で、指でしっかり挟み込みやすい設計です。
つかみ持ち(手の長さ17.0〜19.0cm、手幅8.5〜10.0cm) — 最適
G304が最も本領を発揮するグリップスタイルです。38.0mmの高さは手のひらの付け根をマウス後端に軽く当てるつかみ持ちに理想的な高さで、指先のコントロール性を維持しながら手のひらの安定感も確保できます。116.6mmの全長は小〜中サイズの手にちょうど良い長さで、手の長さ17.5〜18.5cmのプレイヤーが最もフィット感を得られるでしょう。
62.15mmの幅は親指と薬指/小指で側面を自然に挟める寸法です。長時間のゲームセッションでも指が開きすぎる疲労感がなく、マウスの保持に余計な力を使わずに済みます。99gの重量はつかみ持ちでの操作にやや重さを感じる場面もありますが、電池を単4電池+変換アダプタに置き換えることで約10g軽量化できる定番カスタムもあります。
手の長さが19.0cmを超えると、マウスの全長が足りず指が窮屈になりがちです。その場合はG Pro X Superlightなど、全長125mm前後のマウスを検討してください。
つまみ持ち(手の長さ16.0〜18.5cm、手幅8.0〜9.5cm) — 良好
小型・軽量プロファイルを活かしたつまみ持ちとの相性も良好です。38.0mmの低い高さと丸みのある背面は、手のひらを完全に浮かせた状態でも指先だけでマウスを安定的にコントロールできます。116.6mmの全長は、つまみ持ちで重要な「指先から手首までの距離感」を適切に保ちます。
手の長さ17.0〜18.0cm前後のプレイヤーがつまみ持ちで使う場合、親指と薬指で側面を軽くつまみ、人差し指と中指でクリックボタンの中央付近に触れる持ち方が安定します。99gの重量は指先だけでの精密操作にはやや負荷がかかるため、長時間のプレイでは指の疲労に注意が必要です。ここでも単4電池への換装による軽量化が有効です。
手の長さ16.0cm未満の小さな手でも、つまみ持ちであればG304の操作に問題はありません。むしろ小さな手にはこのサイズ感が心地よいはずです。
パームグリップ(手の長さ16.5〜18.0cm、手幅8.5〜9.5cm) — 条件付き
パームグリップでG304を使う場合、手のサイズが限定されます。全長116.6mm、高さ38.0mmのコンパクトな形状は、大きな手をすっぽり包み込む余裕がありません。手の長さ17.0〜18.0cm程度の小〜中サイズの手であれば、手のひら全体がマウスの上に収まり、パームグリップとして成立します。
ただし、38.0mmの高さは手のひらを積極的に押し上げるには不十分で、G Pro X Superlight(40.0mm)やDeathAdder V3(44.0mm)のような「手のひらを預ける安心感」は得られません。パームグリップを主体にするプレイヤーで手の長さが18.0cmを超える場合は、より大型のマウスを選ぶべきです。
手の長さ18.0cm以上でパームグリップを好むなら、G Pro X Superlight(¥12,000〜15,000)が自然なステップアップ先です。形状の系統は異なりますが、同じLogitech製品としてLIGHTSPEED接続の信頼性は共通しています。
センサー性能
HEROセンサーはLogitechが自社開発した光学センサーの初代モデルです。DPI範囲は200〜12,000で、最大トラッキング速度は400IPS。現行のHERO 25K(最大25,600DPI)やHERO 2(最大44,000DPI)と比べると数値上は見劣りしますが、競技FPSで一般的に使用される400〜1600DPIの範囲ではトラッキング精度に問題はありません。
HEROセンサー最大の特徴は省電力性能です。DPIに応じて消費電力を動的に調整する設計により、単三電池1本で約250時間という驚異的なバッテリー寿命を実現しています。この省電力設計はHERO 25K、HERO 2へと引き継がれ、Logitechのワイヤレスマウス戦略の基盤となりました。
DPI精度はLogitechらしく正確です。800DPIに設定すれば800DPIとして動作し、センサーごとの個体差やDPI偏差がほとんどない。安価なセンサーにありがちな「公称値と実測値のズレ」がないのは、¥5,500のマウスとしては注目すべき点です。
リフトオフディスタンス(LOD)は約1.0mmで、G HUBソフトウェアでの微調整にも対応しています。低感度でリフト&リポジションを頻繁に行うプレイスタイルでも、リフト時の不要なカーソル移動を最小限に抑えられます。ポーリングレートは125/250/500/1000Hzの4段階から選択可能です。
スイッチ・ボタン
メインスイッチはOmron製メカニカルスイッチ(1000万回耐久)。押下力は適度で、軽すぎず重すぎないバランスです。クリック感は歯切れ良く、FPSでの連射にもストレスがありません。ただしOmronメカニカルスイッチの宿命として、長期使用によるダブルクリック問題が報告されています。これは特定の個体で数ヶ月〜1年以上の使用後に発生する可能性がある症状で、G304に限らずこの世代のLogitechマウス共通の課題です。
左サイドボタンは2つ。押し心地は明確で、誤押下は起きにくい配置になっています。ボタンのサイズはやや小さめですが、つかみ持ちやつまみ持ちでの親指の自然な位置にあり、アクセス性は良好です。
スクロールホイールは段階式で、ノッチ感は中程度。ゲーム中の武器切り替えに使いやすい適度な抵抗があります。ホイールクリック(ミドルボタン)の押下力はやや重めで、意図しない誤入力を防いでいます。
ボタン数は合計6つ(左右クリック、サイドボタン×2、ホイールクリック、DPI切替ボタン)。DPI切替ボタンはホイール直下に配置されており、ゲーム中の誤操作を避けるためG HUBで無効化することも可能です。
接続性・バッテリー
LIGHTSPEED 2.4GHzワイヤレスは、G304の価格帯では他に類を見ない接続品質を提供します。Logitechが長年にわたって蓄積してきた2.4GHz無線技術は、LANトーナメント会場のような電波干渉の多い環境でも安定した接続を維持することで実績を積んでいます。接続が不安定になる、ゲーム中に途切れるといった報告はほぼ皆無です。
Bluetooth接続は非搭載。2.4GHz専用設計です。作業用PCとゲーミングPCを1台のマウスで兼用したい場合は、レシーバーの差し替えが必要になります。
バッテリー寿命は単三電池1本で約250時間。1日4〜5時間のゲームセッションで約2ヶ月持つ計算です。HEROセンサーの省電力設計がこの数値を支えており、ポーリングレートを1000Hzで使用しても実用上の駆動時間は200時間以上を確保できます。
電池式の最大のメリットは「充電待ち」が存在しないことです。バッテリーが切れたら新しい単三電池を入れるだけで即座に復帰。充電ケーブルを探す必要も、充電中に有線モードで我慢する必要もありません。単三電池1本のコストは¥30〜100程度で、年間の維持費は¥200前後に収まります。
一方で99gという重量の大部分は電池が占めています。リチウム乾電池(約8g)を使えば通常のアルカリ電池(約23g)から約15g軽量化でき、総重量を約84gまで落とせます。さらに単4電池+変換アダプタの組み合わせで約89gまで軽量化する方法も、コミュニティでは定番のカスタムとなっています。
マウスソール・滑り
底面には上下2箇所に小型のPTFEソールが配置されています。ソールの面積は上位モデルと比べると小さめで、初期状態ではクロスパッド上でわずかに引っかかりを感じる場合があります。数日間の使用で表面が馴染むと滑りは改善しますが、開封直後からスムーズな滑走を期待するなら、Corepad SkateやTiger Arcなど社外製ソールへの交換が効果的です。G305/G304用のアフターマーケットソールは選択肢が豊富で、¥500〜1,000程度で入手できます。
ソフトウェア
Logicool G HUBでDPI、ポーリングレート、ボタンマッピング、LOD調整などの設定を行います。オンボードメモリに1プロファイル保存可能で、設定を本体に書き込めばG HUBを閉じた状態でも動作します。DPIはG HUBで5段階まで登録でき、本体のDPI切替ボタンで順送りに変更できます。
G HUBの動作がもたつく、アップデート時に設定がリセットされるという不満は以前から知られています。DPIとポーリングレートを決めたらオンボードメモリに保存し、G HUBはアンインストールしてしまうのが快適な運用方法です。
プロ選手の使用状況
G304/G305を公式にメインデバイスとして使用しているプロ選手は、現時点のデータベースには記録されていません。しかしこれは、G304が競技で通用しないことを意味するものではありません。
プロシーンでG304/G305が表舞台に登場しにくい理由は明確です。トッププロの大半はLogitechのスポンサーシップを受けており、その場合はG Pro X SuperlightやSuperlight 2といった上位モデルが支給されます。Logitechスポンサード選手が公式戦でG304を使う理由がない——それだけの話です。
一方、セミプロやランク上位帯のプレイヤーの間ではG305/G304は非常に高い人気を維持しています。特にアジア地域のValorantやCS2のランクマッチでは、G305/G304の使用率は無視できないシェアを占めています。¥5,500でLIGHTSPEED接続のワイヤレスマウスが手に入るという事実は、機材に高額な投資ができない学生プレイヤーや、ゲーミングマウスを初めて購入するエントリー層にとって決定的な価値を持っています。
プロが使っていないからといって、G304の競技性能が低いわけではありません。HEROセンサーは400〜1600DPIで正確にトラッキングし、LIGHTSPEEDの接続は大会会場でも実績がある技術です。99gの重量を許容できるなら、G304で到達できないランクはありません。制限になるのはマウスではなく、プレイヤーのスキルです。
コミュニティでは「G305はゲーミングマウスのカローラ」という評価が定着しています。最速でも最軽量でもないが、信頼性が高く、コストが低く、誰が使っても一定以上の結果を出せる。この安心感が、6年以上にわたって売れ続けている最大の理由です。
よくある評価と不満
高く評価される点:
- ¥5,500でLIGHTSPEED 2.4GHz接続。この価格帯に競合がほぼ存在しない
- 単三電池で250時間の圧倒的バッテリー寿命。充電の概念から解放される
- HEROセンサーの精度。競技DPIでのトラッキングに不満なし
- 左右対称・小型形状の汎用性。つかみ持ち・つまみ持ちに幅広く対応
- 電池交換による軽量化カスタムが可能(リチウム電池で約84g)
不満として挙がる点:
- 99gは2025年基準では重い。60g台のマウスに慣れると戻れない
- Omronスイッチのダブルクリック問題。経年劣化で発生する個体あり
- 純正ソールの滑りが上位モデルに比べて劣る
- Bluetooth非搭載。作業用とゲーム用の切り替えが不便
- DPIの上限が12,000。実用上は問題ないが、スペック上は見劣りする
総評・購入ガイド
G304 Lightspeedは、「ワイヤレスゲーミングマウスの入口」として6年以上その地位を守り続けている製品です。¥5,500という価格はゲーミングマウス市場全体で見ても最安水準であり、それでいてLIGHTSPEED接続・HEROセンサー・250時間バッテリーという実用十分なスペックを備えています。
購入すべき人: 初めてのワイヤレスゲーミングマウスを探している。予算は¥5,000〜6,000。つかみ持ちまたはつまみ持ちで手の長さ17.0〜19.0cm。バッテリー寿命を重視する。シンプルに動くマウスが欲しい。
見送るべき人: 60g台の軽量マウスに慣れており、99gに戻れない。4000Hz以上のポーリングレートが必要。パームグリップで手の長さ18.5cm以上。最新センサーや光学スイッチにこだわる。Bluetooth接続が必須。
代替候補:
- Logitech G Pro X Superlight(¥12,000〜15,000)— 63g・HERO 25K・同じLIGHTSPEED。予算に余裕があればステップアップ先として最有力
- Razer DeathAdder V3 HyperSpeed(¥11,000)— 71g・エルゴノミクス形状・300時間バッテリー。パームグリップ派には有力な選択肢
- Razer Viper Mini Signature Edition(¥22,000)— 49g・最軽量級。予算が許せば別次元の操作感
G304は「足りないスペック」を探そうと思えばいくらでも見つかるマウスです。しかし¥5,500という価格の前では、そのほとんどが些末な問題に変わります。ゲーミングマウスに求められる基本性能——正確なトラッキング、安定した無線接続、信頼できるスイッチ——をこの価格で提供できる製品は、2025年の今でもG304以外にほぼ存在しません。最初の1台として、あるいはサブマウスとして、G304は極めて合理的な選択です。